LEOの授業から「文化」について

LEOでは、もう10年以上「文化」とは何だろうかを教えてくれる英語の文章を教材にした授業を行っています。短い文章ですが、文化や文化理解には何が必要かを学ぶことが出来ます。
たまたまある場所に生を授かった人たちが、協力し合って、そこで生きていくためのニーヅを満たしていきます。その風土や気候によって、同じ人間でもニーヅの満たし方は変わってきます。分かりやすいのは食べ物かもしれません。日本では、雨が多く、山や森に恵まれているので、豊富で良質な水の恵みがあります。また、四方を海に囲まれており、その海には上から流れてくる川から栄養たっぷりな水が流れ込みます。こうした環境があるので、水田での稲作や、海や川での漁が盛んとなり、そして、収穫したものをどのように調理するか、また、保存するか、どうやったらさらに美味しくいただけるかを、長い時間をかけ知恵を絞り進化させてきました。その結果が、今、私たちが世界に誇れる食文化を作り出したわけです。
つまり、文化というのは、人間が生きていくうえで必要不可欠なニーズ(衣食住や、愛情、言語など)を、暮らす環境の中でどのように満たしていくかが結晶したものと言えるのではないでしょうか。愛情の示し方も、各文化で相当異なりますよね。コミュニケーションの取り方・生活習慣もまた然りです。言い換えれば、それぞれの文化構成員(私たち)を生み、養い、支えてくれているものと言っていいでしょう。
忘れてならないのは、これは何千年もかけて作られたものであり、先祖から贈与されたものだということと、これから先の世代にしっかりと送り届けなくてはならないことだと思います。贈与されたものを感謝の気持ちで受け取り、責任を持ってこれから先の人たちに受け継いでいかなくてはならない。この今は「見えないもの」に思いを馳せることができるかできないかで、その文化をさらに洗練したものにしていけるかいけないかが決まるように思います。言葉を変えれば、自分の文化を深く理解できるかできないか、他の文化を理解する態度を身に付けられるか身に付けられないかということになるでしょう。
LEOの授業が、上に述べたことを少しでも考えるきっかけになってもらえたらいいなと思います。そして、そうなっていると信じています。