先日、「高2英語」(高1生も受講)の授業で、現在の農業の実態を紹介する文章と、たくさんの生産物が無駄(waste)になっている文章を読んだ。
一つ目の現代の「農業」では、私たち、先進国の人々が食べる「肉」を生産するため、「人が食べるための穀物」ではなく、「家畜の肥料のための穀物」が世界中で大量に作られていることが紹介されている。さらに、その文章では、世界中で飢えている子供の80%は、実は食料が余っている国々に住んでいると述べている。ということは、その食物は子供たちの口に行かず、どこに行っているのか。
一方で、先進国ではモノの食べ過ぎが原因の病気で死ぬ人が多数いる。私たちは、自分たちの食生活になんの疑いも持たないが、この食生活(食文化)が飢餓を引き起こしていることを考えなければいけないのでは。いつの間にか現在の形にシフトしてしまった農業がこれからもたらす深刻な影響について考えるべきなのではないかと考えさせる。
もう一つの文章では、そんな中、世界中で生産される食物の30%~50%が、食されることなく無駄(waste)になっているという調査の文章だ(他の調査では、約半分が無駄になっている)。それは、先進国でも、発展途上国でも同じような数字らしい。ちなみに、東京では、一日に約6,000トンの食物廃棄物が出るという。これは、なんと一日450万人分の食に当たる量だという。
この二つの文章を読んで、次の質問に答えてもらった。”From an ethical point of view, analyze two passages, express your opinion about the problems, and develop your idea and/or suggestion to improve the situation in your essay.” 生徒たちは、懸命にこの質問に取り組んでいた。彼らのエッセイを今から読むところ。楽しみだ。
こうした、私たちの身近に起こっているのだが、ほとんど知らされていない事実についての情報を与え、それについて考える機会を与えることが重要だと思う。そして、それについて考え、自分ではこうしたほうがいいと思うとか、こうあるべきではないかといった意見を発信できるように育てることが必要だと考える。